八重歯を簡単に治す方法について album 199

矯正治療における1期治療と2期治療と咬合誘導・咬合育成について

矯正治療は、乳歯と永久歯が混在する時期に行う1期治療と全ての乳歯が生えかわってから永久歯に対して行う2期治療に分かれていますが、当院では、1期治療前の乳歯列期と1期治療終了後にも咬合育成・咬合誘導を行っています。例えば反対咬合の治療は希望があれば3歳ぐらいからマウスピース(ムーシールド)を使った治療を行うようにしています。反対咬合の小児の特徴としては舌の位置が低位で下唇の周りの筋肉が緩く、その逆に上唇の周りの筋肉の緊張が強い特徴が有ります。そこで、乳歯列期にその筋肉のバランスを整えて舌を挙上するトレーニングを行う事により反対咬合の改善をする事が出来ます。この治療によってその後に乳歯と永久歯が混在する混合歯列期になっても上顎の成長発育が促され歯並びだけでなく顔貌の改善も見られるようになります。勿論、積極的にワイヤー矯正や拡大床を用いて反対咬合の治療を行う事も出来ますが、筋肉のバランスを整えておかないと歯並びとかみ合わせだけの改善では持続的に安定した歯並びは維持することは出来ないからです。また、当院の特徴的な矯正治療としては、1期治療終了後も来院出来る患者さんに対しては継続して筋機能矯正装置(トレーナーシステム)を用いて咬合誘導・咬合育成を行っていることです。この治療により適切な咬合誘導・咬合育成を行えば、永久歯列に対する2期治療を行わなくても機能的で美しい歯並びを作ることが出来る可能性が有ります。
最小限の矯正治療による介入で満足の出来る歯並びを得る事は、矯正治療によるリスクを最小限にする意味でとても意義深いと考えています.
矯正治療には常にリスクが存在します。詳しくは下記の記事をご覧下さい。

「矯正歯科治療で生じうるリスクや副作用について」(クリックHere)

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3歳の乳歯列期で開始した反対咬合の治療例です。奥歯のかみ合わせの高さを適正化して、低位舌と口元の筋肉のバランスを整える治療を行っています。治療にはムーシールドを使用しています。1期治療を行う前にこのような治療をしておくことは、小児の顎の成長発育を正常な方向に導く上でとても大切であると考えています。当院では、咬合誘導・咬合育成を積極的に行っています。

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初診時、小学校3年生の小児です。舌が収まるだけの顎の大きさが足りません。この様な状態で舌を挙げるトレーニングを行っても良い結果は得られません。当院では、口腔筋機能療法(MFT)を効果的に行えるように予め顎の大きさを確保するようにしています。この事により、舌が正しい位置に導かれ筋肉のバランスが取れた機能的なかみ合わせを得る事が出来ます。一般的には前歯4本をキレイに並べ奥歯のかみ合わせを整えると1期治療は終了となります。1期治療終了後は、筋機能矯正装置(トレーナーシステム)を用いて継続して咬合誘導・咬合育成を行っています。
小学校5年生で上顎の永久歯の犬歯が萌出してきました。初めは八重歯の状態でしたが、奥歯の乳歯を削るだけの治療(ディスキング)で八重歯が改善しました。後続の永久歯の大きさが乳臼歯よりも小さいこと(リーウエイスペース)を利用した治療法です。この乳歯自体はやがて抜ける事から削っても何ら問題がありません。

<参考>

リーウェイスペースと歯
乳犬歯・第一乳臼歯・第二乳臼歯の歯冠近遠心幅径の総和と永久犬歯・第一小臼歯・第二小臼歯の歯冠近遠心幅径の総和の差で、上顎では約0.9mm、下顎では約1.7mmであったと、Nanceにより1947年に発表された。
リーウェイスペースは、乳犬歯・乳臼歯が永久犬歯・小臼歯に交換すると、早期に下顎第一大臼歯が近心移動してその大きなスペースを閉じ、上下顎第一大臼歯の咬合関係が咬頭対窩(cusp to fossa)咬合を確立するためにあるという説と、第一大臼歯の近心移動のために使われるのではなく、大きな前歯が配列するために後方の空隙が使われるという説がある。その後の研究でどちらの場合でも起こりうることが判明している。このようにリーウェイスペースは、混合歯列後期から永久歯列完成までの咬合関係の確立や、叢生歯列の矯正治療においてはそのスペースを利用し叢生を解消するために、重要な役割を果たしている。(ザ・クインテッセンス 2009年4月号より引用)

子供の矯正治療をスタートする目安 その 1
「生え代わりの時期が来ても、上顎の乳前歯の間に隙間(発育空隙)がない時」
(クリックHere)

子供の矯正治療をスタートする目安 その 2
「不正咬合に気が付いたとき」
(クリックHere)

<参考>

「矯正症例集閲覧に当たって」(クリックHere)

「顎が小さくて歯が並ばない時の対処法」(クリックHere))

「審美矯正歯科治療(美しい口元を求めて)」(クリックHere)

過去の症例はこちら

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