小児の反対咬合は適確な早期治療(1期治療)が大切 album 204

今回の症例は小学校2年生の時に前歯の並びを気にして来院しましたが、そのまま積極的な治療にいたらず1期治療が中断してしまいました。しかし、成人になりしっかり治療したいと再び来院した患者さんです。初診時はそれ程顎に変形は見られませんでしたが、最終的には顎変形症を伴う骨格性の反対咬合の状態になってしまいました。出来るだけ外科矯正はしたくないとの事でしたので、奥歯のかみ合わせの高さ(咬合高径)を挙げることにより下顎を後方に下げ、奥歯のかみ合わせ(咬合平面)を適正化することでかみ合わせを再構築する対処療法的な治療を行いました。
成長発育期にある小児の反対咬合の患者さんは、低位舌や異常な嚥下癖があり口腔周囲筋のバランスが悪く経時的に顎が変形(骨格的問題に発展)して、歯並びが悪化していきます。
従って、出来るだけ早期に治療(1期治療)を開始することにより、仕上げの治療(2期治療)が困難で複雑にならないようにすることが大切です。
何故なら、骨格的な問題が少ないほど矯正治療に伴うリスクを最小限にする事が出来るからです。
それでは実際の治療をご覧下さい。

<参考>

矯正歯科治療で生じうるリスクや副作用について(クリックHere)

歯並びが悪い(不正咬合)とは?
「不正咬合の種類と問題点」 (クリックHere)

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初診時の矯正学的問題点は
①上顎の前歯が並ばない(叢生)
②上顎の大きさが下顎に比べて小さい為に奥歯のかみ合わせが反対(臼歯部の交叉咬合)
③下顎の位置が上顎に対して前方に位置している(反対咬合)
④上顎の中切歯と側切歯のかみ合わせが反対(上顎前歯交叉咬合)
⑤下顎が左にずれている(顎偏位)
等です。
早期治療を行わなかったために、上顎の成長発育が阻害され下顎がより前方に偏位し、上下顎の叢生が悪化して八重歯の状態となっています。
全ての歯を並べるために顎の大きさを広げワイヤー矯正治療を行いました。ゴムMETALワイヤーを使用して咬合平面と咬合高径を適正化し、下顎を後方に適応させました。

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全ての歯を並べるために顎の大きさを広げ、ワイヤー矯正治療を行いました。ゴムMETALワイヤーを使用して咬合平面と咬合高径を適正化し下顎を後方に適応させました。

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全ての歯を並べるために顎の大きさを広げ、ワイヤー矯正治療を行いました。ゴムMETALワイヤーを使用して咬合平面と咬合高径を適正化し下顎を後方に適応させました。

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全ての歯を並べるために顎の大きさを広げ、ワイヤー矯正治療を行いました。ゴムMETALワイヤーを使用して咬合平面と咬合高径を適正化し、下顎を後方に適応させました。

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初診時、下顎が左側にずれています。(顎偏位)
重度の八重歯治療のため治療途中にかみ合わせが開いて(開咬)しまいましたが、顎間ゴムの使用により改善する事が出来ました。また左右の咬合高径がアンバランスを修正する事により顎偏位も改善する事が出来ました。

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抜歯することなく歯を並べるために拡大床で顎の大きさを広げました。その後ワイヤー矯正治療により歯を配列しました。

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抜歯することなく歯を並べるために拡大床で顎の大きさを広げました。その後ワイヤー矯正治療により歯を配列しました。

 

<参考>

「矯正症例集閲覧に当たって」(クリックHere)

過去の症例はこちら

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