小さな顎を育てる子供の矯正治療(咬合誘導・咬合育成・口腔周囲筋のバランス) album 207

今回は、5歳の小児の小さな顎を育てる矯正治療についてお話ししたいと思います。
矯正治療を早期に始めるメリットとしては、歯並びが凸凹(叢生)になったり上下顎のずれが生じて出っ歯(上顎前突)・受け口(反対咬合)・顔が歪む(顎変形症)症状が進行する前に、それら不正咬合を引き起こす根本原因(遺伝的要因を除く)である口腔の周囲筋のアンバランス、習慣性口呼吸、姿勢、異常な嚥下癖、片咀嚼等々にアタックして、正常な顎や顎関節の成長発育を促す事が出来ることにあります。勿論、遺伝的な要因はどうしようもない事ですが、その影響を最小限に抑えかみ合わせや顎の発育をある程度コントロールして酷い不正咬合にならないように誘導していくことは可能です。特に機能的な要因で顎の成長発育が悪い方向に向かうことを防ぎ、骨格的な問題に発展しないように最大限の努力する事は矯正治療を行う歯科医師の努めであると思います。
例えば、火事の対処法で大事なことは初期消火です。
初期消火の3原則
1. 早く知らせる
小さな火でも1人で消そうとせずに、大声で隣近所に助けを求めましょう。
119番通報を忘れずに! 初期消火にあたる場合は、近くの人に通報を頼みましょう。
2. 早く消火する
最初の3分間が、ボヤで消し止められるかの分かれ目です。
消火器や水、毛布で覆うなど、落ち着いて身近なものを活用しましょう。
3. 早く逃げる
天上まで燃え広がったら、いさぎよく諦めて避難しましょう(何よりも大事なのはあなたの命です)。
避難するときは、燃えている部屋のドアや窓を閉め、空気を遮断しましょう。
(津南町のHPより引用)
この事を矯正治療に当てはめて考えてみましょう。
矯正治療における大火事とは、早期に矯正治療で改善できる不正咬合の原因を排除する事なく骨格的な問題に発展してしまうことです。重度な骨格的不正咬合は、外科矯正(顎切り)を併用した複雑で難しい矯正治療となる可能性が高いと思われます。
1,不正咬合に気が付いたら、出来るだけ早く矯正歯科医院に相談しましょう。矯正歯科医師は患者さんに不正咬合を放置すると将来どんな問題が起こるかを患者さんに知らせる義務があると考えます。一人で解決しようとすることは危険です。
2、出来るだけ早期に矯正治療を開始して、遺伝的要因以外の機能的な要因を排除する
3,矯正治療の場合は、速く逃げない事が大切です。
それでは当院で行っている実際の治療をご覧下さい。

<参考>

「顎が小さくて歯が並ばない時の対処法」(クリックHere))

筋機能矯正装置(トレーナーシステム)を用いた咬合誘導・咬合育成について(クリックHere))

photo 1092

1期治療終了後も筋機能矯正装置と口腔筋機能療法(MFT)により継続して咬合誘導・咬合育成を行い、口腔周囲筋のバランスが取れた位置に歯を配列していきます。小さな顎が十分に発育し、自然で美しい歯並びに変化していきます。

photo 1093

1期治療終了後も筋機能矯正装置と口腔筋機能療法(MFT)により継続して咬合誘導・咬合育成を行い、口腔周囲筋のバランスが取れた位置に歯を配列していきます。小さな顎が十分に発育し、自然で美しい歯並びに変化していきます。

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自然で安定した歯並びを得る為には、1期治療で十分に後続永久歯の萌出スペースを確保する事が大切です。真ん中の写真をご覧下さい。

photo 1095

自然で安定した歯並びを得る為には、1期治療で十分に後続永久歯の萌出スペースを確保する事が大切です。真ん中の写真をご覧下さい。

photo 1097

5歳の治療開始から6年間の顎の大きさの変化をご覧下さい。この6年間は子供の顎から大人の顎の大きさに変化するとても大切な時期です。適切な咬合誘導・咬合育成により不正咬合の根本原因を排除して正常な顎の関節と顎の発育を促す事が出来ます。

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5歳の治療開始から6年間の顎の大きさの変化をご覧下さい。この6年間は子供の顎から大人の顎の大きさに変化するとても大切な時期です。適切な咬合誘導・咬合育成により不正咬合の根本原因を排除して正常な顎の関節と顎の発育を促す事が出来ます。

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5歳の治療開始から6年間の顎の大きさの変化をご覧下さい。この6年間は子供の顎から大人の顎の大きさに変化するとても大切な時期です。適切な咬合誘導・咬合育成により不正咬合の根本原因を排除して正常な顎の関節と顎の発育を促す事が出来ます。咬合誘導の最後は犬歯が正しい位置に誘導されていくかがとても重要です。完全な犬歯咬合誘導を確立するためには、この後1から2年の継続治療が必要です。

 

 

<参考>

「矯正症例集閲覧に当たって」(クリックHere)

過去の症例はこちら

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