出っ歯(上顎前突)は口腔周囲筋のバランスが不良【album 306】
日本人の出っ歯(上顎前突)は上顎骨の過成長による骨格的な問題による事は少なく、下顎の位置が後方に後退する事により相対的に出っ歯の状態を呈する事が多く見られます。今回は出っ歯を気にして来院した小学校2年生の症例を通して、出っ歯の根本原因をどのようにして改善するべきか考えてみます。上下顎と顎関節の成長発育途上にある小児は、出っ歯(上顎前突)の改善のために顎関節並びに下顎骨の成長発育を促す事により対処療法的な治療ではなく根本的な原因を改善出来る可能性があります。それに対して顎の骨の成長発育が終了している成人の出っ歯(上顎前突)の治療の多くは、対処療法的になる傾向があります。当院では、不正咬合の根本原因を改善出来る可能性がある成長発育期の早い時期から矯正治療を始めるように勧めています。
矯正治療は術前に必要十分な検査をしてその根本原因が何処にあるかを適切に診断する事がとても大切です。今回の症例は、奥歯のかみ合わせ(咬合平面)が下顎の運動路(顆路)に対して急傾過ぎる事により奥歯で咬合干渉、咬頭干渉が起こりやすい状態にあることが分かりました。その為、顎関節に過剰な負担が加わっていると考えられます。このままでは正常な顎関節の成長発育は阻害され将来顎関節症を引き起こす恐れがあります。その改善のために奥歯の高さ(咬合高径)と奥歯のかみ合わせ(咬合平面)を適正化して、下顎の前方成長を促し顎関節の圧迫を取り除きました。この様に早期から適切な咬合誘導、咬合育成をしていくことは不正咬合の根本原因を取り除くためにはとても意義があります。それでは実際の治療をご覧下さい。
<参考>
- 子供の矯正治療をスタートする目安 その 1
- 子供の矯正治療をスタートする目安 その 2
- 筋機能矯正装置(トレーナーシステム)を用いた咬合誘導・咬合育成について
- 咬合平面・咬合高径の適正化とは?
- 咬合平面と咬合高径と顆路の適正化と非抜歯矯正治療について
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咬合平面と咬合高径の適正化により下顎と顎関節の発育が促され出っ歯が改善されていく様子をご覧下さい。また、出っ歯の人は下顎の前方にある頤(オトガイ)筋の緊張が強く上唇付近の口輪筋の緊張が弱い状態となっていますので、筋機能矯正装置を用いて口腔周囲筋のバランスの改善を行っています。この事により安定した咬み合わせを得る事が出来ます。
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咬合平面と咬合高径の適正化により下顎と顎関節の発育が促され出っ歯が改善されていく様子をご覧下さい。また、出っ歯の人は下顎の前方にある頤(オトガイ)筋の緊張が強く上唇付近の口輪筋の緊張が弱い状態となっていますので、筋機能矯正装置を用いて口腔周囲筋のバランスの改善を行っています。この事により安定した咬み合わせを得る事が出来ます。
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咬合平面と咬合高径の適正化により下顎と顎関節の発育が促され出っ歯が改善されていく様子をご覧下さい。また、出っ歯の人は下顎の前方にある頤(オトガイ)筋の緊張が強く上唇付近の口輪筋の緊張が弱い状態となっていますので、筋機能矯正装置を用いて口腔周囲筋のバランスの改善を行っています。この事により安定した咬み合わせを得る事が出来ます。
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咬合平面と咬合高径の適正化により下顎と顎関節の発育が促され出っ歯が改善されていく様子をご覧下さい。また、出っ歯の人は下顎の前方にある頤(オトガイ)筋の緊張が強く上唇付近の口輪筋の緊張が弱い状態となっていますので、筋機能矯正装置を用いて口腔周囲筋のバランスの改善を行っています。この事により安定した咬み合わせを得る事が出来ます。
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顎が小さいのでとりはずし式の拡大床で顎の大きさを広げ、その後筋機能矯正装置を用いて口腔周囲筋のバランスを整えながら機能的で安定した位置に歯が移動し行きます。
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上顎の大きさに合わせて下顎も歯槽骨形態修正を施しています。その後筋機能矯正装置の適切な使用により口腔周囲筋のバランスがとれた位置に歯が移動して並んでいきます。
<参考>